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ぽたぽた。 WJ黒/子の/バス/ケの二次創作BL小説中心女性向同人サイトです
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棘のついた蔓に触れるとちくりとしましたが血が出ることはありません。そもそも棘らしい棘ではないのですから痛みなどあるはずないです。そうしたら前を歩いていた彼は振り返ってなにしてるんだって怪訝そうな顔をしています。そのまま垣根を見ていた僕に近づいてきて今度は声に出してなにしてるんだって言うので僕は別に何もありませんと答えるのですが本当はちっとも何もなくないのです。僕の答えに納得した彼はそれでも僕を待っていて僕が一緒に歩き始めるとやっと笑うので僕は吐きませんがため息を吐きたくなります。彼は無用心に僕に近づきすぎるので僕はいつもどきどきと音を立てて壊れていきそうな心臓を宥めつけなくてはいけないのです。僕は彼が好きなのです。しかし彼はそんな僕の気持ちにはまったく気付かないので簡単に僕の隣に来るのですが彼に気付いてもらいたいと思う反面で絶対に気付かれたくないと思っている僕もいるので僕は彼が傍にいるととてもおそろしいのです。黙っているのがつまらなくなった彼は僕の頭をぐしゃぐしゃとかき回してきては僕はいつも心臓を吐き出してしまいそうな感覚を味わってしまいます。しかし止めてと言うには僕は彼の手を好いてやめて欲しくないのです。何か言わなくてはと思っていても口を開けば何を口走るのか分かったものじゃありません。しかし嫌な顔をしてしまいます。僕の不安なんてものは彼には一切関係がないのだから仕方がないのだけれどそれはとても悲しいことではないのかと思ってしまうのです。悔しいのです。楽しそうに笑って手を離す彼が途端に憎らしくなり何かを考えている暇などないまま彼の袖を引っ張っていて後悔しながらそれでもそれこそが正しいと思っていました。嗚呼止めてください。どうしたなんて聞かないでください。そんなこときいてくれるな。僕は彼が本当に好きなのです大好きなのです。そして僕は知っているのです。彼が僕以上に純粋に僕のことを愛していてくれることを知っているのです。それでも彼はその純粋さに守られているのでどす黒く浅ましいだけの僕の気持ちにも彼自身の気持ちにも気付かないのです。彼の清純さは彼が今のように純朴しぎるままに生きているからこそ生まれるものであり気付かせてしまって消え失せさせてはいけないので僕は口を噤みます。それでも影である僕のもっとも後ろ暗くどす黒い気持ちはささやくのです。彼を僕の唯一にしてしまいたいと思っているのなら気付かせてしまえと囁きつづけるのです。彼が僕の気持ちに気付けば彼は僕のものでしょう。僕が彼に気持ちをささやくだけで彼は僕のものになるでしょう。素敵ですね。ですがその誘惑はおそろしいものですから僕は絶対に表に出さずしまい込むのです。それでもちょっとくらい意地悪したって良いんじゃないかと思ってしまったのは僕の意志の弱さです。ねえ火神君僕は君が好きなんですよ知っていましたかと呟いて笑って見せてからびっくりしている彼の表情を見て後悔するのです。僕は冗談ですよともう一度笑って彼を追い越しましょう。なぜなら僕は決して困らせるためにこんなことを言ったのではないのですからお遊びにしなくてはいけないのです。彼は真っ赤になってぶっきらぼうに僕を追い越して早足に立ち去っていこうとするのです。そのときに横目で僕を見た瞳には小さな怒りが滲んでいたのでやはり彼と僕は同じ思いを持っているのでしょう。そして僕は彼の髪と同じ色になった首元を見ながら微笑ましいような幸せな気持ちを感じているのです。しかし同時に僕の暗黒はそのおそろしい気持ちもいつのまにか呟いているのです。


逃がすな、捕らえろ。









火←黒子はきっと頭がいいぶん悶々としているんじゃないかな
野茨の花言葉は"気まぐれ美人"です

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