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ぽたぽた。 WJ黒/子の/バス/ケの二次創作BL小説中心女性向同人サイトです
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 いつだったか、親父がえらくしみじみと青春について語ってくれた。正直何度も聞いていた話だからウザかったが、そのたびに話される内容はいいなと思った。それこそ漫画にあるような俺たちには縁のない青春だったけど、だから惹かれたのかもしれない。
「ちょ、待ってや」
「無理だろ」
「あっちょ、あかんて!」
「……ちょっと黙れ」
 何せ昨今の若い連中の青春はこんな感じだ。普段部活をやってる俺たちはそれなりに充実した青春を送っているのかもしれないが、雨の多いこの季節は何をするにも、場所や時間が限られてくる。まず家から出たくない。だからと言うわけではないが、今、俺たちはゲームに熱中している。
 隣が焦った悲鳴を上げる中、俺は構わずに手を動かす。そしてついに、画面から一体のキャラクターが吹っ飛んだ。がくっと意気消沈した今吉の目の前で、俺の使っていたキャラクターが一回転する。これで五連勝だ。
「待って言うたやん!」
「いや、勝負だし当たり前だろ」
「そーやけど!」
 きっと睨んできた今吉を宥めながら、ちょっと優越感に浸る。今吉は格ゲーがそう得意じゃないらしい。
「好かんくなるで」
「ウソつけ」
 ご機嫌取りに触れるだけのキスをした。今吉はコントローラーを捨てて背凭れにしていたベッドに転がった。ふて寝に近い。
 俺は黙って画面を対戦モードからストーリーモードに変え、途中までだったキャラクターのコースを進めることにした。場面をクリアーするごとにゲームオーバーと出るのがちょっと不満だが、それ以外はいいと思う。
 しばらくは後ろから動き回る音がしていたが、そのうち本気で寝息が聞こえてきた。眼鏡を外してやりながら悪戯でもしてやろうかと思ったが、あいにく近くにはペンもクリップもなかったから諦める。
「……」
「……」
 小さく鳴る今吉の寝息をBGMに、二時間くらい経ったか。後ろで今吉が身動ぐ気配がした。水はと聞けば、長い腕が無言で俺のペットボトルを取っていった。
「もうすぐ終わるぜ」
「……ぁ゛ー……」
 酷いがらがら声だ。口開けて寝たのかと思う。ゲームは最終段階だった。
「ゅきお゛……ん゛んっ……ちゅーしたって」
「ちょっと待ってろ」
「……ふん」
 ずり落ちるように今吉が隣に降りてきた。空にしたペットボトルを捨ててベッドに凭れかかる。
(これで)
 クリアーとボタンを連打する。キャラクター同士が大げさな動作で飛び上がり、画面の中心にゲームオーバーの文字が出る。やっぱりちょっと不満だ。強制的に負けた気分になる。
 俺が眉を顰めたのと同時に今吉はキスしてきた。応えながらゲーム画面を進める。今吉の頭越しに画面がエンディングになったのを確認し、お待たせ、と俺はコントローラーを手放した。






高校生って、どんな感じにでも自由で自堕落してていいと思うんだ^^

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