ぽたぽた。
WJ黒/子の/バス/ケの二次創作BL小説中心女性向同人サイトです
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みなさん、相田リコです。
私は今、他校のバスケ部の人から、 「――……きだ。だから、付き合ってほしい」 人生で初の、告白を受けています。 「ごめんなさい!」 空白が頭を占めてから数瞬後、一気に頭を下げる。ものすごく大声で叫んでいたわけだけど、幸い周りに出歯亀するような人はいなかったから大丈夫だと思う。 「そのっ、笠松さんが嫌って言うわけじゃなくって! 私ってそんな美人じゃないし胸ないし、ぜんぜん笠松さんには似合わないから!」 「あ、いや、そんなことねぇと思うけど」 「ああありますよっ! それに私まだ二年だし笠松さん今年から大学生になられるしっ、そうしたら時間合わなくなるし、いままで以上に遠くなっちゃいますし! 迷惑ですから! それに私と付き合ってたら何もできませんよ! 休みもたぶん部活とかいっぱいで会えないだろうし、それってデートとか出来ないってことだし、もっと離れちゃいますし、あ、あと料理も上手くないんですよ私! 裁縫も出来ないし、バスケも、私自身はそんなに上手くないし」 途中から何を言っているのか分からなくなってしまった。というか、もう最初っから何を言っていたのか覚えていない。だって本当に頭の中が真っ白になっちゃった。私ったらすっごく必死で、なんだか頬が熱くなってて、両手で覆ったらますます熱くなった気がして恥ずかしかった。 どうしよう。後ろの方がぐわんぐわん鳴っていて何を言っていいのかぜんぜんわからない。何言っても墓穴掘っちゃいそうで嫌だ。 「……その、だな。もしかして本音はオーケーだったりするのか?」 「――ッ」 悲鳴はどうにか頑張って上げなかった。けど、びっくりしてもう声にならなくって、口とか半開きで固まっちゃってて、たぶんひどい顔になったと思う。笠松さんも顔を、というか目元覆っちゃったし、俯いてる。 「な、なんでですか!?」 「悪い、ちょっと自意識過剰だった」 「そうじゃなくって! なんでそんなこと分かっ、た……~~っ」 言ってから、やばいと口を押さえる。思ったときにはもう遅くて、笠松さんが隠した目元が赤いのが分かる。すごく恥ずかしいから違うって言いたいけど、違わないから否定したくない。 ううぅってなってたら笠松さんが瞑った目を開けた。真っ直ぐで、かあっと真っ赤になる。なにこれ。なんでこの人こんなにかっこいいんだろ? 「俺は、そういうの面倒だとか思わないし、迷惑とも思わない。デートとかしなくても構わないし、料理が下手でも大丈夫だ。好きだよ」 ひゃあうっとか変な声が出そうになる。どうしよう、また言われた。もしかしてまた口説かれてる!? 「ダメです! 本当壊滅的なんです!」 「漫画じゃねぇんだから……」 「漫画なんですよ!」 料理ができるとかできないとか言い訳で、そういう問題ではないんだけどとにかくダメ。食べ物じゃないとかそういうことも一先ず置いておいて、ダメなんだもの。 なのに全力で手をばたばたさせたら、何がダメなんだと笠松さんが首を振って訊いてくる。その動きは流し目したみたいでまたいいなって思って、また顔が赤くなる。落ち着いてよ、私! 「だ……だって、あと一年あるんですよ!? 私たちインハイで優勝できるよう頑張るんですよ? 海常とも試合うかもしれないのに、笠松さんはいいんですか? 私、誠凛しか応援しないのに」 「いや、俺卒業しているし」 「でも、気まずいでしょ!? 私、好きな人に気まずい思いさせるの嫌なんですよ!」 「……~~ッ! ちょ、ちょっと待て、落ち着くからちょっと待ってくれ」 笠松さんが逃げるみたいに目を反らした。肩が細かに震えていて、笑って……違う、悶絶しているみたい。私ったらまた何か口走っちゃったらしい。 十秒くらい歯を食いしばっていた笠松さんが顔を上げる。それから落ち着けるように大きくかぶりを振った。なんだかため息まで聞こえて、一瞬冷たい感じにどきっとした。これは、もしかしなくとも呆れられてる? 「誠凛は、負けたことを応援がなかったことにするのか?」 「そんなことしませんっ!」 つい声に怒気が混じっちゃったのはしょうがない。だってあんまりだもん。 はははって、笠松さんはどこか偉そうだけど嬉しそうに笑った。何か歳上の風格見せつけられてるみたいでどぎまぎしちゃう。でも今、私の中で株は下がりましたからね! ……たぶん。 「海常もだ。負けるのは自分たちが弱かったからだって、ちゃんと分かるぜ。だったら勝敗を気にする必要はない。どちらも全力を出せって応援するよ」 問題ないだろって笑う笠松さんにまたどきんとした。今度はあったいかどきんの方。ずるい! ここでそうやって笑うのはずるい! 「せ、せめて私が卒業するまで……」 「それは無理。無駄にライバル増やしたくない」 はうっ! ああ、でも正論かもって思う。私はそんな事ないと思うけど、笠松さんはモテるだろうから。だって私になんかもったいない人だもん。 「もう一度、いいか?」 笠松さんが訊いてくる。姿勢を正されて、近づかれたわけじゃないけど何だか近づかれた気分になって悲鳴を上げそうになった。わああ、本当かっこいい、恥ずかしいからこっち見ないでほしい。 「……好きだ。付き合ってくれ」 ……ああ、みなさん、相田リコです。どうしたら良いでしょう。 断る理由がそろそろなくなりそうです。 笠リコっていいよね! 乙女なリコちゃん大好きですv PR |
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