ぽたぽた。
WJ黒/子の/バス/ケの二次創作BL小説中心女性向同人サイトです
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正邦の津川は、嫌な奴だ。
こいつは誰かをからかうことに生甲斐を見出していると言っても過言じゃない。人の嫌がる顔が好きだと豪語して憚らないことが、まずもって厄介だ。そしてそれを裏付けるように試合ではしつこいディフェンスをしてくる。しかも笑顔で。全世界のバスケットプレイヤーを集めたって、笑顔でディフェンスをする奴はこいつくらいなモンだ。 「なー、なーあー、あーおーみーねー」 「あー?」 何よりも自己中で喧しい。周りのことなんてお構いなしにずけずけと物言うし、無駄に上から目線だ。俺が言うな? 俺は俺さまだから良いんだよ。 「昨日、俺、誕生日だったんだけど」 「はあっ!?」 そして突然、こういうことを言い出す。いきなり呼び出しておいて内容がそれなのかと思わず反応すると、津川はにやにやと笑っていた。いらっとした。本当に毎日いらいらするくらい笑っていやがる。 「あは、いい顔した~。てかさ、忘れてた? 俺の誕生日とか覚えてなかった感じ? それちょっとショックなんだけど」 津川が拗ねてみせる。やめろ、ちっとも可愛くねぇ。そもそも誕生日の話は三ヶ月以上前にしたきりだから、なるほど、こいつは俺の気まずい顔を見て楽しみたいらしいらしい。 はっきり言ってむかついたが、少し引っかかる部分があるので思い返そうと黙る。津川は俺が押し黙ったのが嬉しいらしく、にやにやと笑う。ちくしょう、やっぱむかつく。 「おい」 「わっ、引っ張んなよー」 「確かよ、お前の誕生日って今日だろ」 「げッ?」 津川が呆ける。間抜け面はいつもだが、こういう本気で当てが外れたって感じの表情は珍しいから、してやったりって思った。どうやら記憶違いではなかったらしい。大方昨日忘れたんだからと言って飯でもたかるつもりだったんだろう、前はそれで振り回された。 だが、言っとくが、俺はやられっぱなしでいられるような性格じゃない。というか、やられたらやり返すのが常識だろう。 「で。やさしー俺はちゃんと用意してやってんだけど?」 ぎりぎりまで真面目な顔をキープしようと、平常心、平常心と心の中で念仏のように唱えながらプレゼントを突きつける。因みに中身は桃井が猛プッシュしたクマのぬいぐるみだが、買うのも恥ずかししければ店で包装してもらうのも恥ずかしかった。桜井でも連れて行けばよかったんだと後から気付いたのが残念だ。 そんなことを回顧していたら、津川は一瞬怒ったような顔をして、ひったくるように奪い取った。ガキみたいな様子に我慢できずに笑ったが、黙った津川の顔を見て、唖然とする。 「おい」 今回こうして前準備をしていたのは何となくだった。いたずらが失敗したくらいじゃ津川も泣いたりしないだろうと思ったし、こいつの不満そうな顔とか見てみたかったからだ。 なのに、だ。どうしてだか、これは予想していなかった。 「なんで、照れてんだよ……!」 「っ、う、うっさいっ! だって……おまえっ、……あーもーう!」 俺が顔が火照っていくのを感じながら怒鳴ると、もっと早くに赤面していた津川はと叫び声を上げながら顔を隠す。声にならない悲鳴を上げている津川の、隠し切れない耳が真っ赤で、うわっと思った。 一体何があったのか分からないが、津川は真っ赤になってバーカと言いながら縮こまって何故か身悶えている。そんなよく分からない感覚につられたのか俺も顔の熱くなる。 やばい、なんなんだろうか。どういうことなんだろうか。正直に言って顔の熱さが半端ない。可愛いとか思った自分に腹が立ってしかたない。こいつはそんな高度なことできないと分かっているけどもし演技とかだったら殺す。騙されたとか俺どんだけだよ、ほんと殺す。むかついた。 「返せっ、やっぱやらねぇ!」 「やだッくれたんだからもう俺のもんー!」 「うっせぇ寄越せ!」 「やーだー!」 はっきり言って、腕力なら俺の方が上だ。なのに津川が抱き込むから奪えない、というか動きが止まってしまう。 いや、本物にどういうことだよ。なんで俺まで赤いんだよ。ああもう、俺が死ね! 津川は、悪意からくる嫌がらせ や 嫌味からくる同情 にはびくともしない。でも、善意からくる好意に対しては嬉しくってどうしたらいいか分からなくなる。とかね! なるほど青津は可愛すぎる! PR |
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