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ぽたぽた。 WJ黒/子の/バス/ケの二次創作BL小説中心女性向同人サイトです
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 土曜日は丸一日練習になる予定だったが、監督に用事ができ、部活は急遽中止になった。部員だけでも練習できるが、今回は、駄目らしい。
 だからこの日、広い体育館に一人でいた宮地の姿はおかしなほど小さく映った。
「……何をしているのだよ」
 緑間の言葉は宮地が何故ここにいるのかを疑問に思ったもので、宮地の練習を指してはいない。
 どうやら宮地はスリーポイントの練習をしていたらしい。投げられたボールは曲線を描き、バッと音を立てて、ゴール下に転がっていた他のボールに混じった。それから一歩下がって。スリーラインから少しはなれた所から打ってもボールはゴールに入った。
 さらに一歩下がって、また一歩下がって。一度ゴールを向いたが何か呟いて、一気にハーフラインまで歩く。
 そして、そこから投打した。
 自主練習なのだから、コートには敵も味方もいない。誰も邪魔をしていないし、宮地のフォームも完璧だった。きっと緑間なら入れただろう。
 しかし宮地のボールは入らず、それどころかゴールに届かないままコートに落ちた。だんっと音を立てて跳ねるボールを拾いながら、宮地は「うわー……ださー……」と一人で呟いていた。そのあとボールを片手で抱え、もう片方の手を顔にあてた。
「――……っ……」
 緑間は思わず体育館から逃げる。しかし焦ったままでは上手く走ることはできず、すぐ近くの水飲み場でつまずいた。転びはしなかったものの、たった数十メートルの疾走で息が切れてしまい、座り込んだ。
 目の前の運動場ではサッカー部が走っていた。大声で叫び回るが、その様子も言葉もよくわからなかった。切れ切れの息を直す間も、つい今しがたの光景が浮かんでくる。
 ただ、汗を拭っただけかもしれないと思う。単に、どこかが痒くなったのかもしれなかった。
 それでも今、緑間は宮地を直視できなかった。
「……ッは――……」
 息を吸った瞬間、頬がかっと熱くなる。いやな汗も感じる。心臓は殴り付けたように脈打って、呼吸は上手くできなくて、苦しくなった。涙と一緒に鼻水が出てきたようで、鼻を啜ると酸素不足の頭は軽く頭痛がした。
 詰られたわけではない。責を負わされたわけでも、無視をされたわけでもない。
 試合で己の力を出し惜しみすることらなかった。宮地に限らず、レギュラーも外野の誰しもが全力した。それでも負けたのだ。理解していた。
 ただ、あの姿を作り出したのは緑間自身なのだと、唐突に知ってしまった。
 負けたんだと思い知らされた。
「……っ」
 奥歯を噛みしめる感情が何なのかよくわからない。言い表せないまま渦巻いている。後悔はある、嫉妬も同じくらい。哀願したいし、尊敬もしている、それでも優越もある。ない交ぜになる。間違はない。誰も悪くない。それでも何かに謝りたくて、だが謝ることは出来ない。謝ることは理不尽だ。
「あれ、……緑間? 大丈夫か?」
 名前を呼ばれて顔をあげると、心配そうな表情をしたサッカー部員が見つめていた。顔を洗いに来たらしい。
 ああ、邪魔になっているのだと気付き、立ち上がる。周りの視線が集まっているのもわかって、少し冷静になった気がする。サッカー部員はまだ心配そうで、使っていないからと言ってタオルをくれた。大丈夫だと返したかったが、頷くだけで精一杯だったので押しきられる。
 校庭を離れていきながら、混乱したままの頭をどうにか回転させようとするが、まだ無理そえだった。あのサッカー部員がクラスメイトだと気付いたのもずいぶん経ってからだった。






今更誠凛戦の後日談
高尾視点も書きたい(何故

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