ぽたぽた。
WJ黒/子の/バス/ケの二次創作BL小説中心女性向同人サイトです
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それを発見したのは、はっきりと偶然だと言える。少なくとも、一瞬前まで青峰は知らなかったし、関係なかった。
「ん~? 桜井、ちょいこっち来てくれん?」 「うえええっすみません!」 「んだよ、良になんかあるのか」 呼ばれただけで謝るのはいつも通りとして、青峰が寄ると桜井が更に謝る。己に非がなくともびくびくしている桜井は見ていて苛立つが、それを言えば更に謝ってくるのが目に見えているため、青峰は黙っておく。これでもだいぶ慣れたのだ。 今吉は桜井のTシャツを少し持ち上げ、桜井もおずおずと従っている。青峰が顔を寄せたとき、今吉はにこっと笑って、ズボンを引きずり下ろした。 「ひゃああああ!?」 「……何してんだよアンタ」 「ほれ、見てみぃ」 あんまりなことに逃げようと暴れる桜井の腰をがっちりとホールドしながら、今吉は桜井の腰を触る。桜井は悲鳴を上げ、青峰は堂々と行われるセクハラに少々引いた。 今吉はそんな様子をまったく取り合わず、青峰を手招きする。しぶしぶと近づいた青峰は「げぇっ」と呟く。 腰、というより足の付け根に近いところに、これまた堂々としたキスマークがついていた。 「どっかにあるやろと思っとったで。やっと見つけたわ」 満足そうに今吉が言う。だからといってユニフォームを着てもまず見えないところの痕をよく見つけたものだ。桜井は虫刺されだとと言うが信じるわけがない。 「違いますっ若松先輩はつけません!」 「んなわけあるか」 「絶対するやろ」 「だ、だって! 痕つけてないって言いました!」 嘘だろ、明らかに。つけないのは桜井直々のお願いらしいが、いくらなんでも馬鹿正直に言うことを聞く相手じゃないだろう。信じて虫刺されだと言う桜井に同情する。 青峰が呆れたとき、タイミングよく若松が入ってくる。目の前の光景に一瞬びっくりしたようだが、すぐに険しい顔になって今吉から桜井を奪った。 「……何してんですか」 「ありゃ、お帰り」 「どーも」 「若松先輩っ!」 ズボンを履き直す桜井を抱えたまま、若松は目の前のこちらを睨みつける。あからさまに不機嫌な様子に、今吉は知らぬ顔で笑い返し、青峰は鼻を鳴らした。原因が来たのだ、落ち込めばいい。 「若松、桜井に虫刺されの痕があるで。用心しい」 「虫刺され?」 怪訝そうな若松に桜井は真っ赤になって再度ズボンをずらす。そして確認するやいなや、若松の眉間のシワがさらに増えた。 そのまま視線を投じられて、分かりやすい反応と行動をとる若松に今吉が笑う。 「ワシやないで」 「……おい」 「はあ!? 俺じゃねぇよ!」 青峰はとばっちりもいいところだ睨み付けた。しばらくそれが続いたが、不意に若松が視線を外すと、桜井の虫刺されにキスする。再び悲鳴があがったが、若松は気にしない。 やっと若松が頭を上げるたとき、吸われた虫刺されが一回り大きくなった気がする。桜井がぱくぱくと口を開け閉めしている。 「軟膏塗ったがええんとちゃう?」 「そうしますわ」 今吉は手を振ったが二人とも振り返らなかった。引きずられていく桜井はまだ真っ赤なままだ。 扉が閉まってから、青峰が静かに呟く。 「今吉さん」 「なんや?」 「つまり?」 「ワシらが見つけたんはホンマに虫刺され。けど嫉妬しとーても虫がおらんのやから、できへんで、しゃーないから帰ったん」 「……つまり?」 「若松の八つ当たり、被害者1と2」 びしっと亀裂の入ったような音がする。青峰は口元を歪ませ、ロッカーを殴り付けた。ひしゃげたロッカーを見ながら、今吉は修理費が部費から下りるかどうか心配していた。 後日、腰の虫刺されは治ったという桜井の首に、真っ赤な大きな痕があった。 「……でけぇ虫に刺されたな、良」 「お生憎。これは虫除けだ、バカ!」 「ああすみませんすみません、本当にすみませんごめんなさい!」 治療費ゼロ円 (誰か青峰の手を心配しろ) 先の若桜を書いて、あれ単体は……と思い書いた 八つ当たりの被害者はくっつきます。この場合は今青かな PR |
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